梅雨の前の夏のような暑さの昼下がり、僕は鳥の唐揚げ定食を食べてお腹いっぱいだった。
ふと食後のコーヒーが欲しくなってセブンイレブンへ。大ヒット商品になったセブンカフェのアイスコーヒーのパックをレジに持っていく。人の良さそうなおじちゃんがレジを打ってくれて、「100円です。」。そのあと、セブンのレジは、確か客の年齢層のデータを集めるために、年代順を見た目でレジに登録する。ふと見ると「29」というキーを押しとるやないか。僕はそんな若く見えるんだと、嬉しいような悲しいような。
そのあと、コーヒーサーバの方へ向かう途中でその悲劇が起きた。真夏のようなあつさに、満腹のお腹いっぱさに頭がボーッとしてた僕は、アイスコーヒーのパックをするっと床に落としてしまった。フタがはじけるように開き、半分以上の氷が床に飛び散った。
さっきの愛想のいいおじさんが、カウンターから出てきて「大丈夫ですか?」とききながら床の掃除をしてくれた。そればかりか、なんともうひとつ、同じアイスコーヒーのパックを冷凍庫から持ってきて、「私も飲もうと思ってたんですよ。半分氷、使ってください」と差し出してくれた。
僕は嬉しさと恥ずかしさで、ろくにお礼も言えないまま、その氷を半分いただいた。
アラビカ産のコーヒーはいつもよりも、ちょっぴり美味しかった。