夢はそんなに簡単に現実にならない

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(Photo by 10-daさんのブログより)

9/8にYOSAKOIかまがや2012に参加した。昨年は震災のために中止になったので2年ぶりの開催である。

このイベントが舞ちはらにとって、今年初めての審査演舞となる。

参加29チームのトップを目指して僕らは練習を積んできた。この日はメンバーの中学生が運動会と日程が重なり、不参加者が多く、はじめからハンデを背負っていた。しかし、そんなことでめげてはいられない。

会場で集合すると審査コースを全員で念入りに下見。さらにフォーメーションと振り付けの確認をしながら、数回演舞を通して踊ってみる。開会式の後にストレッチと更なるフォーメーションの確認を行う。9月とはいえ真夏のような日差しと蒸し暑さの中、すでにみんな汗だく。最後に円陣を組んだ。「今日を生涯で絶対忘れられない日にしよう!」

最初の演舞が審査パレードだ。MCの場所から、10番目にスタートラインに立ったメンバーを80m先に見た。不思議に緊張はない。審査員の視線を背中に感じながら、いつもの練習のようにMCをスタートさせる。

曲が始まりイントロが流れる。そこで僕はカウントを取り間違い、若干最初のかけ声を出し損ねてしまった。くやしい。でもそこから挽回をはかった。

メンバーの姿が徐々に近づいてくる。声が、歌が、聞こえ、笑顔が視界に入る。観客の視線や手拍子を強く感じる。僕らは力の限り、4分17秒を踊りきった。会場の空気が明らかにはじけたように、歓声と拍手に包まれた。手応えは大きかった。

退場後に給水所でメンバーたちは互いの健闘を称えあった。達成感で涙を浮かべる者もいた。やるだけのことはやった。

その後のパレードとステージ演舞は十分楽しんで踊ることができた。参加チームのとりをつとめた、ステージ演舞はほんの2チーム前まではにわか雨と雷により、ひどいコンディションで、旗の使用も禁止されていた。ところが前のチームの番になって突然雨は上がり、禁止も解ける。何となく運が僕らに向いてきているように感じた。

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すべての演舞が終わり、成績発表のときがやってきた。このイベントは10位から4位までを優秀賞として発表され、その後3位から1位までが発表される。

10位から発表され、順にチーム名が呼ばれていく。まだ呼ばれるなよ、まだまだ、もっと上で呼ばれたい、と思った瞬間7番目に優秀賞の最後のチームとして「YOSAKOI舞ちはら」と発表があった。

このとき、本当は大変失礼なことだと思うのだが、舞ちはらのメンバーは誰も歓声を上げなかった。いやそれどころか悔しさがあふれ、ため息がもれた。このYOSAKOIかまがやではいままで何の賞もいただいたことがなく、本来ならば喜ぶべきところなのだろうが。大賞を目指してがんばってきた僕らには厳しい現実を思い知ることになった。

まだまだ実力が足りないんだ。踊りの技術も、情熱も。もう一度やり直しだ。

夢はかなえるためにある。