さよならミルク

白い文鳥。名前はミルク。

2年前、まだ目もよく開いていないくらい小さい時に、うちにもらわれてきた。

最初はスポイトですりつぶした穀類を食べさせてもらっていた。

そのうち、すぐに大きくなり、かごから出すと元気に飛び回るようになった。

肩にとまると、人のえり足をかむ癖があり、かまれると痛かった。

音に敏感で誰かが帰ってくるときのドアの音がすると「おかえり」と鳴いた。

チンゲンサイが大好きで、キャベツは嫌い。

よく食べて、よく鳴いて、よく寝るやつだった。

昨日突然やつは死んでしまった。何の兆候もなく突然に。

鳥かごの底にうずくまるように横たわっていたそうだ。

家の中とはいえ、寒かったのかな。

もっと気を配ってあげるべきだった。

ごめんな。

やつの死を悼むかのように、今日は冷たい雪がうっすらと地面を覆った。

さよならミルク。