久しぶりに佐野元春の話
先日発売になった佐野元春の新しいDVDだ。
このDVDは佐野元春の今年4月に行われたツアー最終日のライブを、最初から最後までノーカットで収録したものだ。全27曲~約3時間10分におよぶこのDVDは、僕が見た佐野元春の作品の中でも間違いなくトップ3に入るものだ。
どの曲の完成度も非常に高い。80’Sの曲から90’Sそして最新の曲まで余すとこなく網羅している。昔の曲もそのままのアレンジではなく、かといって今までいろいろなコンサートで試行錯誤されてきたアレンジのままでもなく、2006年の音となって仕上がっている。
普通はこんなに長いDVDはいくら好きな音楽とはいえ、聞いていてどうしても飽きがくるのだけど、このDVDは違う。シンプルだけど新鮮でどの曲も力強く惹き付けられる。元春の言葉少ないMCもすべて収録されている。
アンコールに答えて最後に「彼女はデリケート」を歌い終えた元春はいつものように、いったんは観客の方へマイクスタンドをくるっと向けて「もうおしまいだよ」というゼスチャーを見せたが、またそのマイクを自分に向けてこんなことを言った。
「デビューしてから25年~(中略)~多感なころから僕の曲を聞いてきてくれたのは今30代、40代の人たちです。今、その30代、40代といえばとても難しい世代だと思う。世の中とても厳しい。でも決してあきらめずに、希望を捨てずに、がんばってください。僕もがんばります。そして皆さんがいてくれる限り、僕もこれからも希望の詩を書いていきたいと、そう思っています。」
まさにこのセリフは自分にいわれたような気がして、ジ~ンとくるものがあった。僕も20代の多感な頃からずーっと佐野元春の曲を聴き、ライブで歌って踊ってきたんだ。40代になった僕もまだまだがんばるぜ。
つまらない大人にはなりたくないからね。
佐野元春ファンならこのDVDはほんとにおすすめだよ。