ちばよさこい2日目〜その2

(その1から続く)

やった〜〜〜〜!

チャレンジステージ進出だ。望みはつながった。

僕はメンバーが集まっているところへ全速力で戻り、「やったぞ!抜けたぞ!チャレンジステージだ!」と叫んだ。メンバーから悲鳴のような歓喜の声があがる。泣き出すものもいた。まだまだ泣くのは早いぞ。これからが勝負なんだ。望みはまだあるんだ。

チャレンジステージに挑戦するのは、各ブロック3位で通過した、利ゑ蔵さん、勢やさん、風神さん。そして、土曜日の審査枠の最高点となった舞ちはらだ。このうち上位2チームがファイナルに進出できる。ちょっと緊張してきた。最後のフォーメーション確認を大急ぎで行う。すぐに時間はやってくる。舞ちはらは3番目の演舞だ。

円陣を組み、声を上げる。司会者の呼び込みで、カクテルライトがまぶしいメインステージへ駆け込んでいく。僕はそのときの素直な気持ちをMCの第一声に込めて叫んだ。

「地元市原市、ちはら台からやってまいりました、YOSAKOI舞ちはらです。ファイナルに行きたいです!精一杯演舞いたしますのでよろしくお願いします。」

曲がスタートして踊り始めた。メンバーは今日6回目の演舞で、体力的にもきつくなってきているはずだが、心の底から声を出し、最高の笑顔で踊った。ステージに向かって照りつけるスポットライトの向こうに、手拍子をしてくれているお客様の姿がぼんやり見えた。いつも応援してくれるみんなやよさこいカメラマンさんたち、メンバーの家族や、昔のメンバー、そして千葉の他のチームの仲間達からも力をいただいた。会場が一つになった気がした。

演舞が終わり挨拶をして退場をすると、メンバーはみんな踊りきった達成感で「幸せいっぱい」だった。抱き合う人、涙を流す人、呆然とする人…。でも、僕らはやりきった。後は結果を待つだけだ。

チャレンジステージ4チームの全ての演舞が終わりすぐに審査発表となった。僕らは暗いバックステージに一つに集まり、かたずを飲んでその発表に耳を澄ませた。

「ファイナルステージ進出、まず1チーム目は…….『YOSAKOI舞ちはら』さんです!!」

やった!ついに、やったんだ!

崖っぷちから這い上がって最後のステージに立つ切符を手に入れることができた。もう、メンバーは誰彼かまわず抱き合って喜んだ。もう一度踊れる。あの最高のステージで!

すぐに準備をして最後の演舞に備えた。

思えば9月のかまがやよさこいの結果を受けて、振り付けの大幅な変更をした。練習期間がほとんど取れず、よさこい道や東京よさこいでは本当にふがいない演舞となってしまった。僕もインスト達も焦りを感じ、ぶつかり合うこともあった。それでも僕らはちばよさのファイナルにどうしても行きたかった。その思いが今、かなったのだ。

舞ちはらはファイナルの7番目に踊った。2日間で10回目の演舞だった。最後の全ての力を出し切った。全員がヘトヘトで抜け殻になったようだ。挨拶をしてステージを降りる。

ステージを降りたところで、以前他のイベントでご挨拶をさせていただいたお客様とその奥さんと一緒に近づいてきた。その奥さんは少し涙目で、僕に話しかけた。

「素晴らしい演舞でした。わたし感動して涙が出て…よさこいの演舞を見て涙が出るなんて初めてでした。」

僕も思わず胸を締め付けられて、涙が出てきた。初めてお会いする方にこんな風に言ってもらえるなんて。心の中が感謝の気持ちでいっぱいだった。

その後表彰式で、舞ちはらは優秀賞をいただいた。この賞はメンバー全員と応援してくれた皆さんで勝ち得たものだ。

そして、ちばYOSAKOI開催のために長い期間途方もない尽力をされてきた学生実行委員会を始め、当日スタッフをされていた千葉のよさこいチームの皆さんに心より感謝します。

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