常陸を終えて

長文ですのでご了承ください。

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昨日、茨城県常陸大子で開催された常陸国YOSAKOIに参加してきた。

天気は好天に恵まれ初夏の日差しがあちこちに降り注いでいた。清らかな水が流れる穏やかで小さな街が、この日だけはたくさんのよさこいチームとその観客でたくさんの人でだった。

舞ちはらにとっては、昨年7月から踊り続けてきた「感謝感激あめあられ」の踊り納めという大きな区切りをつけるイベントでもあった。

もちろん審査もある。審査希望のチームは3つのブロックに分けられ、ステージ演舞による予選に参加。その予選を1位通過したチームだけがファイナルステージに進むことができる。非常に狭き門だ。今回のブロック分けではあまりにも他に強豪が多数いるために、僕は練習でもファイナル進出が目標だとは公言してこなかった。上を目指さないというわけではないが、それよりも「ラスト演舞にふさわしい悔いのない踊りをする」事に主眼を置いたのだ。

バスを降りて、会場を下見し、駐車場で通し練習。声を出して顔を上げる。もう、何十回、何百回と繰り返してきた事を淡々と練習。いざ本番へ。最初がステージでの審査演舞だ。ここで一つのハプニングが起きた。初夏の日差しの中でメンバーのひとりが体調を崩し、踊ることを断念。急遽フォーメーションを調整する。

そして、いよいよ僕らの出番がやってくる。メンバーと円陣を組み声を張り上げ壇上へ駆け上がる。満員の観客席から「舞ちはら~」と声援がかかる。練習してきた、定型バージョンのMCで演舞をスタートする。普通の場所と違ってMC席が踊り子や旗士の後ろの壇上中央なので、何となく観客が遠く感じる。その表情や反応が見えない。踊り子も遠く声が出ているかどうかもよくわからない。そんな若干の不安を抱えながらも4分17秒を踊りきった。

決して完璧な演舞ではなかった。旗のトラブルもあったし、僕のMCも1、2カ所飛んでるところがある。

でも、やりきった。悔いはない。これが僕らの実力。いまのありのままの僕らなんだ。こうして最後のステージ演舞は終わった。

終了後、舞台下でかつての振付師、倉さんが真顔で「よかったよ。」と声を掛けてきてくれた。うれしかった。滅多にほめてくれない人がほめてくれた。

メンバーの顔にもみんな充実した思いが浮かんでいた。

それから、バスに乗って袋田の滝の近くのパレード演舞会場へ移動。茨城の濃いなまりの司会者に紹介されながらパレードを2本踊る。もう審査はないのでのびのびと楽しんで踊る。ちょっとお客さんが少なめだったのが残念。

そして、大子の駅前に戻って、本当に最後のパレード演舞2本を踊る。この会場は幅が4mしかなく、通常とは違うフォーメーションをこの日のために練習してきた。この変則バージョンが最後の「感謝」だ。2本目のパレードの時、順番を待ちながらこの演舞と歩んできた10ヶ月間が走馬燈のように頭の中に浮かんできた。震災で練習が1ヶ月できなかったこと、船橋でデビューしたこと、夏祭りや親子三代での演舞、黒潮よさこいでの予選1位通過のよろこび、木更津のファイナル逃したときのこと、ちばよさでの3連続パレード、そして小見川での準大賞受賞、たくさんの人が来てくれた「感謝祭」などなど。

なにより、この演舞を通じて舞ちはらを応援してくださる方が本当に増えた。たくさんの方に「感動した」と声を掛けられた。この常陸でも県外のチームの方からも声を掛けていただけた。うれしかった。踊ってきて良かった。

そんな思いを込めながら、演舞は始まり僕は全力で叫んだ!踊った!飛んだ!

曲が終わったときに僕は全ての人に心から感謝を伝えた。「ありがとう」と。

多くのメンバーは泣いていた。おそらく僕と同じ思いだったのだろう。メンバー同士抱き合ったり、握手したり、ハイタッチをしたり。本当に悔いの無い踊りができた。

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全ての演舞が終了し、ファイナル進出チームの発表となった。舞ちはらのBブロックからは「郷人」が1位でファイナルに進出した。

舞ちはらの「感謝」の演舞は完全に終了した。

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ファイナル演舞がおわり、結果の発表がやってきた。ここで最後にサプライズがあった。

最初に各賞の発表があり、真っ先に「地域PR大賞はYOSAKOI舞ちはらさんで~す」と呼ばれたのだ。まさか何か賞をいただけるとは無かったので、びっくりした。地域PR大賞とはチームの所在地を、わかりやすくPRしているチームに贈られるとの事だったが、僕らそんなにわかりやすかったかな(笑)

たぶん、曲の最後の方で「いちはらちはら、ソレソレソレソレ」と連呼しているからかな。ここだけの話あれはこの審査のために歌詞を直したのだ。それが効果的だったのだろうか?(笑)

しかし、本当の驚きはその後に司会者がさらっと発表したことだった。

「Bブロックの2位はYOSAKOI舞ちはらさんでした。」

このときは全身に鳥肌が立った。後に郷人さんはグランプリに選ばれるのだが、僕らはそのチームに点差で負けたが2位だったのだ。

他にも素晴らしいチームがたくさんいたので、まさか僕らがそんな高評価をいただいていたとは夢にも思わなかった。

うれしかった。ファイナルに出てないのに満足してはいけないのかもしれないが、素直に喜んでしまった。

遠く4時間もかけてやってきたこの常陸国YOSAKOIは、忘れられない思い出となった。

応援していただいたみなさん本当にありがとうございました。これからもYOSAKOI舞ちはらをどうぞよろしくお願いします。

そしてメンバーのみんなに、こころから「感謝!」