謎が深まる航空機事故

あまりこのブログでは書いたことがないのだが、実は僕は航空機ファンなのだ。飛行機好きの父の影響が大きいのだが、成田や羽田の空港でいつまででも飛行機を眺めていても飽きない。成田の航空博物館には何度も足を運び、学生の頃にはワシントンのスミソニアン博物館で二日間も夢のような時を過ごしたこともある。

そんな僕が最近ショックだったニュースがエールフランスのエアバスA330の事故だ。リオデジャネイロをパリに向けて飛び立ったAF447は大西洋上で消息を絶ち、残骸となって発見された。墜落したと思われる海域は水深が2000~3000mと深く、フライトレコーダーなどの機器は回収が困難らしい。

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僕がどうしても疑問に思うのはその墜落原因。航空機事故はそのほとんどが離発着時に発生している。しかし今回の事故は巡航高度を飛んでいるときに起きているのだ。CNNによると、

The jet, which was flying at 35,000 feet and at 521 mph, also sent a warning that it had lost pressure, the Brazilian air force said. Its last known contact occurred at 02:33 a.m., the Brazilian air force spokesman added.

となっている。つまり高度10000m位のところを飛んでいたのであるが、そんな高いところで落雷にあうことなどあるのだろうか。また、たとえそのような雷雲があったならなぜ回避しなかったのか?さらには最近の飛行機には避雷針がついており、落雷が落ちても放電されるようになっているのではないか?

いったいなぜこんな事故が起きたのかその原因が早く究明されることを願う。

<6月4日追記>

ほかのマスコミ記事からも、僕と同様の考え方を示す専門家がいることがわかった。

フランス機消息不明…落雷原因は考えにくい

 大西洋で消息を絶ったエールフランスのエアバスA330と同型機を日本の航空会社は運航していないが、欧州系を中心に海外会社が導入、成田や中部、関西など日本路線にも就航している。フランスで指摘される飛行中に落雷に遭った可能性について、日本の航空関係者や専門家は「落雷が即、墜落に至るとは考えにくい」としている。

 航空関係者によると、旅客機は機体全体が金属板で覆われていて、被雷したとしても電流は機体の表面を流れた後、空中に放電する。乗客や乗員が大きな音や衝撃、閃光を感じることはあっても、飛行システムに直接影響するような設計にはなっていない。

 航空評論家の前根明さん(元全日空機長)によると、落雷説は航空事故のたびに指摘されることが多いが、1976年にイラン空軍機が墜落した事故以降、雷が明確な直接原因となった重大事故はない。ただ「最近の機体は炭素繊維の比率が増え、放電しにくくなっている。いくつかの要因が重なって、事故につながった可能性はある」と解説する。

 エールフランス機が消息を絶ったのは出発から3時間以上たっており、高度1万メートル以上で巡航飛行中だったとみられる。通常はレーダーで積乱雲を察知、回避しながら飛行するため、落雷するのはまれ。

 日本国内でも旅客機への落雷は月10件以上あるが、多くは積乱雲が近くてもコース変更ができない離陸時や着陸時の低高度を飛行中が多い。

―フランス機消息不明…落雷原因は考えにくい(社会) ― スポニチ Sponichi Annex ニュース

炭素繊維など新しい素材を使用した事による新しい事故原因が生まれたとなるとやっかいなことだ。