僕は通勤のとき、最寄りの駅まで自転車で通っている。
今年は寒くて、手とか足とかたまらなくかじかむんだよね。
その駅の駐輪場にはいつも愛想良く声をかけてくれる係のおじさんがいて、
「おはようございまーす」「気をつけていってらっしゃい」とか言ってくれる。
僕は気恥ずかしさと朝の眠気もあっていつも軽い会釈を返して駅に向かう。
今日もいつもと同じおじさんの「おはようございまーす」に迎えられたのだが
僕の鞄のストラップが、自分のぼろぼろのかごにひっかかってしまった。手が
かじかんでいたこともあって、なかなか思うようにとれない。
すると親切なそのおじさんが、手を貸してくれて、ストラップをはずのを手伝って
くれた。そしていつもの「気をつけていってらっしゃーい」と声をかけてくれた。
しかしその声のほんの数秒前に、おじさんが私のぼろい自転車かごを見ながら
何かをもごもごとかたった。「。。。これはもう。。。」かろうじてそれだけが
聞き取れたが、その時はおじさんの胸中にあった意図を読み取ることなどできる
はずもなかった。
仕事からの帰り、改札をでて駐輪場に戻って自分の自転車をさがす。朝停めた
ところに僕の自転車はあった。が、なにかが違う。うん?!
かっ かごが新しくなっている
あのぼろぼろだった僕の自転車のかごが、きれいにメッキされたほぼ新品に近い
かごに付け替えられていた!ええっ~。まあ、ありがたいけどいいのかなあ。この
かごはどっからきたのかなあ。
色々考えながら家路につきました。
ま、でもおじさんありがとう。