たくさんの教訓〜木更津舞尊を終えて(その3)

(その2よりつづく)

南総みよし烈華隊の演舞は、難しいフォーメーションを正確につくり、まさによさこいの王道を行くような演舞だった。おなじみの和にこだわった衣装も美しかった。

長南紅古蓮の演舞は実に楽しくて、旗や小道具もたくさん使って、とんだりはねたり。おみこしも出てきて立体的なエンターテイメントだった。見ている僕も楽しくなってくる。舞ちはらはお客様に楽しんでいただけているか、少し不安になった。

そして、ノックアウトされたのはCHIよREN北天魁の演舞だ。ゴールデンウイークを全部練習に費やして、万を時して発表されたという演舞は、後半になればなるほど盛り上がっていき、フィナーレでは完全に圧倒され引き込まれていた。踊り子の思いとか気持ち感情が伝わってくるような気がした。

さらに驚いたのは美遊侍隊と舞尊を応援したい仲間たちの「侍」という演舞だ。乱舞曲だということだったが、いままで見たこともないよさこいはまさに衝撃。MCなし、掛け声もなし、笑顔もなし。ゆっくりとした曲に合わせて静かに踊る。その力強さと切れの良い動きから、踊り子一人ひとりの筋肉のきしむ音が聞こえてくるような凄い演舞だった。まいった。こんなよさこいもあるんだ。

他のチームの演舞を見て、この木更津舞尊は本当に勉強になった。

 

舞ちはらはありがたいことに、ファイナルに進む事ができた。最後の演舞では「舞ちはららしい」演舞をすることだけを心がけて臨んだ。

 

結果は弟橘姫賞(第3位)をいただく事ができた。なかなかファイナルで踊れなかったころから考えると、夢を見ているようだが、その反面なかなか超えられない壁があるのも実感した。この木更津で学んだ事を糧にこれからますます進化していきたい。

 

 

最後に踊る舞台を提供していただいた、木更津舞尊のスタッフのみなさんに心より感謝したいと思います。

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たくさんの教訓〜木更津舞尊を終えて(その2)

パレードに続いては、ちょっと離れた羽鳥野会場でのステージ演舞。バスで20分揺られてやっと到着。休む間も無くすぐに演舞。草っ原のために踊ると土煙がもうもうと上がって、踊り子が霞むほどだった。このあたりからMCも安定してくる。終わってまたすぐに移動でいよいよ審査会場へ。

審査演舞だが、僕は不思議に緊張はなかった。練習の時から、メンバーにも自分にも言ってきたのは、初めて披露する演舞なので未熟なことは仕方がない、ただ、いま自分にできる後悔しない演舞をしよう、ということだった。やるべきことをしっかりやろう。

僕らの順番になり、円陣を組んで気合いを入れる。掛け声とともに会場へ走り込む。MCをスタートさせる。早口にならないよう抑えてハッキリと。お客様からの「まいちはらー」という声が聞こえる。曲がはじまり踊り子が舞う。もうそのあとはあれこれ考えない。リズムだけはずれないように、思いっきり叫ぶだけだ。お客さんが手拍子をしてくれているのがチラリと視界にはいる。やった!うれしい。無我夢中で踊り切った。とにかく今年初めての審査を終えた。

審査演舞を見ていてくれた振付師からは、「緊張していたのかもしれないが、舞ちはららしい笑顔が足りない。顔が引きつっていた。」との指摘があり、さらに僕にも「MCは後半声がこもっていた」とも。

いかんな。やはり緊張するなといっても顔や声に出てたのか。

その後、他のチームの審査演舞を見て、かなり打ちのめされた。(その3へ続く)