人生の中のよさこい

舞ちはらのメンバーが一人亡くなった。

9月2日の通勤途中に車にはねられ、昏睡状態となり、容体が落ち着いてきて、一般病棟に移る矢先の9月26日の午後、急変して帰らぬ人となってしまった。38歳の若さだった。

彼女は舞ちはらの初期の頃からメンバーでいっしょに踊ってきたが、練習中に足を骨折し1年間休会。翌年は復帰して踊ったが、今年は膝の具合があまりかんばしくなく、主にスタッフとして舞ちはらを手伝ってくれていた。

仕事も忙しく、練習やイベントに参加できないことも多かったが、来てくれたときは実に楽しそうだった。

今日は彼女のお通夜で、現役メンバーはもちろん、OB、OGやその家族も参列してくれた。昨年の小道具の傘やみんなで寄せ書きをした色紙、写真をコラボしたパネルなどを祭壇にそなえてもらった。さぞかし、彼女も喜んでくれただろう。

彼女の遺影は昨年の衣装を着けて、満面の笑みを浮かべていた。その笑顔を見て、彼女にとってよさこいは人生の大切なものであったに違いないと思った。

祭壇に眠る彼女の顔を見させてもらったが、まるで眠っているかのように安らかできれいな顔だった。

亡くなってしまった彼女にできることはなんだろう?

僕らが力一杯、想いを込めて演舞していくことしかない。ひとつでもいい成績を残して、ずっと存続していけるようなチームにしたい。それが彼女にできる供養だろう。

R.I.P.

ありがとう貴さん、安らかに眠ってください。

YOSAKOIかまがや2013で感激

昨日はYOSAKOIかまがや2013に参加してきた。

舞ちはらとしては4回目の参加。昨年の結果は優秀賞(4位?)だった。まだ上位の入賞は果たせたことがない。

朝から残暑が厳しく、衣装を着けた僕らはたちまち汗だくなる。週の初めから風邪気味でのどの調子が悪かった僕は、声出し練習でやっぱり声が全開で出せず不安な始まりとなった。

開会式後、電車に乗って最初の演舞は隣駅の鎌ケ谷駅前パレード。2つ前に踊った地元チーム「維新〜心ひとつ」さんの演舞の熱気に少々圧倒される。僕らも気合いを入れ直して演舞するが、まだまだ「何か」が足らない。振り付け師にもそこを指摘される。

気持ちを入れ替えるように、新鎌ケ谷へ戻りステージ演舞へ。たくさんのお客様が見守る会場で出番を待ってるときに、ふと僕らを見つめる人に気がついた。それは古くからの僕の友人でたくさん舞ちはらの写真を撮ってくれていた「ライダー」さんだった。

何年ぶりだったろう。久しぶりに出会った彼は、杖をついて少々やせて見えた。聞けば腰を痛めてあまりよさこいイベントに来られなかったそうだが、僕のブログWEBを見て舞ちはらを応援しに来てくれたそうだ。うれしかった。感激で胸がいっぱいになった。彼のためにもがんばろうと心に誓ってステージへ。力の限りの演舞を踊った。苦しかったのどもこの頃から本調子を取り戻しつつあった。

そして、いよいよ最後の審査演舞。イオン前の広い通りでのパレード演舞だ。正面には審査員の5人の目が光る。沿道には満員のお客様。緊張はしなかったが、悔いのない踊りだけはしたいと思った。

僕の合図で曲がスタート。いつものようにピアノの旋律が流れ出す。かぶせるように僕のモノローグ。テンポが上がり男隊が飛び出してくる。さあ、舞ちはら小劇場のはじまりだ!前半は男隊がずっと力強くリードしてみんなを引っ張る、中盤にジュニア達が元気に飛び跳ねる。スローでは女隊が傘で優雅に舞ってくれる。そしてフィナーレでは女隊が先頭に立ち、うって変わって激しい振りで進んでくる。男隊は最後尾に回って後方を向き、後ろのお客様にアピール。その真ん中に旗士が入ってきてフィニッシュ。4分17秒、約84mのパレード演舞が終了した。

すべてを出し切って踊った。僕も力つきて最後の挨拶は、なんだかカミカミだった。(笑)メンバーみんなも健闘をたたえ合った。何も言うことはない。

いよいよ、審査結果発表、優秀賞7チームと特別賞のチームの名前が発表となった。が、舞ちはらの名前はない。この時、先週の大江戸ソーランの記憶がまざまざと蘇ってきた。

やっぱり、なんにも取れないのか。全チームの踊り子が待機して蒸し暑い会場の中、額をつたう汗が妙に冷たく感じた。

続いて第3位の発表、ここからは受賞チームの演舞曲が流れての発表となる。3位は利ゑ蔵さんだった。もう、いろんな想いが頭の中をくらくら回った。

そして、第2位の発表。聞き慣れたピアノのフレーズがスピーカーから流れ出した。メンバーから歓声が上がる。準大賞だ。鎌ケ谷市長から賞状と副賞をいただき、鎌ケ谷のゆるきゃらかまたんから、かまたんのイラストの入った大旗もいただいた。感激だった。

大賞は2年連続の礼神伝shall稲毛さんが獲得した。

僕らはその後すぐに、準大賞の受賞演舞を踊ることができた。他のチームのメンバーが手拍子をしてくれたことに、心から感謝感激だった。

すべて終了後、振り付け師の勝くんに「…でも浮かれている場合ではないよ。まだ上があるよね。ここから引き締めて行こう。」といさめられた。

そう、まだまだ浮かれてる場合じゃない。

先週「倍返しだ!」って書いたが、「2/3返し」くらいしかできてないぞ!

ひとときの余韻に浸ったら、気持ちを切り替えて次に進もう。

 

 

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「さようなら、ありがとう」

昨日は僕が20年近くにわたって店長を務めた店舗の送別会だった。

初めてぼくが赴任したときは、まだカウンター1つの旅行カウンターしかなく、来客数も少なかった。あれから苦労して2フロアで1日最大で6000人ものお客さんが来店する店舗まで成長した。つらいことやいやなこともたくさんあった。悲しい別れも経験した。

でも、それ以上に楽しかったこと、うれしかったこと、出会いもたくさんあった。

僕の大事なキャリアとなったこのお店ともお別れ。僕は新たなステップを踏み出す。

責任も重くなるし、もう頼る人もいない。自分で決めていかなければならない。

さまざまな苦難にもぶち当たるかもしれない。

しかし、これまで過ごしてきた店舗での経験を振り返れば必ず答えは見つかるだろう。僕は利用してくれる人の喜びのために働いているのだから。

「さようなら、ありがとう」支えてくれた仲間のみんなに感謝。

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大江戸ソーラン祭り〜完敗

2020年に東京でオリンピックが開催されることが決定した日、僕らは東京の江東区にある木場公演で開催された、大江戸ソーラン祭りに参加した。

僕ら舞ちはらはこの秋の陣の初戦となるこの大会に、これまで全力で準備してきた。

初めて参加するイベント。アウェイ感はいっぱい。関東近県の強豪チームが集結して緊張度も上がる。

さらに、いままで踊ったことのない2段ステージでの審査演舞。自分達なりに工夫をしてフォーメーションをアレンジした。

1本目の演舞は第3ステージ。緊張をほぐすためにも思い切った演舞をしたい。2本目の審査演舞のために同じバージョンで踊る。

少しばらつきはあったものの何とか踊りきった。

つづいての審査ステージ。ステージ脇で円陣を組み声を掛け合った。「この日のためにやってきたんだ。いくぞWe are 舞ちはら!」

MCもかまずにスムーズにイントロがスタート。順調な踊りが始まった。すばらしいPAで僕も自分の声をハッキリ聞くことができた。

その音を超えるようなメンバーのかけ声。おそらく今年一番声が大きかったのではないか。ジュニア組がステージ下段での演舞のときから、観客の反応も徐々に上がってくる。いいぞ、いける。スロー部分が終わり。最後のテンポアップのパートへ。全員が力の限り踊った。曲が終わり礼をしてステージを降りたときは、メンバーみんなが達成感でいっぱいだった。ちょっとミスって嘆いている人もいたけど気にしない。僕らは力を尽くした感はあった。

3本目の通常ステージを終え、いよいよ審査発表へ。

特別賞各賞、そして6位から上位への発表となっていく。3位まで発表されたが、超強豪チームを残して舞ちはらは名前を呼ばれなかった。2〜3年前までにさんざん経験したあのいやな気持ちが蘇ってきた。そしてー

舞ちはらは全く入賞できなかった。

悔しかった。

おそらく、今僕らができる力のすべてを出し切ってもこの結果か。

何がだめで何が悪いのか。

何もかもが失敗に思えてくるようなそんな落ち込み。

他のチームの演舞が斬新でずっと素晴らしく見えてしまう。

「もとまっくはリーダーなんだから、落ち込んじゃだめでしょ」って言われたけど、へこむわ。

 

しかし、いい勉強になった。世の中そんなに甘くはないんだ。

絶対にあきらめない。

きっと、この試練を乗り越えて上に這い上がってやる。

 

やられたら、やり返す。倍返しだ!