春のお別れ

昨日、僕の部下が一人職場を去った。

7年前僕が採用面接を行い、多数の応募者の中から選んだ新人だった。僕も正規職員の採用面接をするのは初めてだった。それだけに選んだ人がしっかり働いてくれるかどうかは非常に不安だったが、彼女は期待に応えてくれた。

はじめは僕の店舗で働き、さまざまな失敗をしながらもけなげにがんばっていた。彼女はとにかく明るく元気で、周りの職員やパートさんともすぐに打ち解けて仲良くなることができた。お客さんに対しても同様で彼女のファンはたくさんいた。

だんだん仕事を覚えてくると、巧妙に仕事をさぼったり手を抜いたりすることもあり、注意することもあったが、不思議と憎めなかった。ただ、他の店に配置換えになったときに上司と折り合わず、異動を申し出てくることもあったな。

徐々に旅行業の仕事に興味を持ち始め、独学で旅行業取扱主任者の資格試験に合格。2年前から旅行カウンターの仕事を任されていた。その間にニュージーランド人と結婚するという快挙も果たし、このまま生協を支えてくれるものと思っていた。

けれど、人間はわからないもんだ。

昨年の冬、彼女の中で「どうしてもやってみたいこと」が他にあり、そちらの道に進みたいと申し出があった。僕は部下が退職を申し出てくるときはあまり慰留することはないのだが、彼女に関しては何とか思い直さないかとずいぶん話をした。しかし、決意は固く翻ることはなかった。

「人生は一度しかないので、思ったことをやってみたい」と彼女は言った。それはかつて僕が彼女に送った言葉でもある。その思いを行動にうつし、実現に向けて踏み出す彼女に僕は心からエールを送りたい。

 

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…とはいうものの、おりからの人材不足で彼女の後任は決まっておらず、僕がしばらくは面倒見なければならない。ああ、どうなることやら。


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