光の向こうに立つ~おみがわYOSAKOI2011

(今日は長々と長文です。最後までおつきあいいただければ幸いです。)

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昨日はおみがわYOSAKOIが開催された。このイベントには2006年に初参加してから6回目で、舞ちはらが審査イベントとしては一番多く参加しているイベントだ。

この静かな水郷小見川町は、僕が見学者で2005年に初めて訪れた時に、駐車場の横の一般のご家庭で「お茶どうぞ」と大変親切なおもてなしをいただいてから、大好きな街になった。以来、おみよさは11月という開催時期もあって、その一年の総決算の意味で毎年参加してきたが、ただの一度もファイナルに残った事は無かった。

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今年、黒潮よさこいや木更津舞尊の結果を受け、少し自信の芽生えてきた僕らは、このおみよさ2011のファイナル通過はもちろん最低限の目標だった。

前週の練習で、「ファイナルに残れなかったら、僕は(責任をとって)よさこいやめます。ファイナルはもちろん、『大賞』を目指します。」とまで、メンバーの前で公言した。

メンバーがそれをどうとらえたかはわからない。けれども、昨年まで何度やっても大賞どころかファイナルの縁にも引っかからなかった舞ちはら全員が、初めて「大賞」を現実として意識して練習した。

何度も何度もやってきて、当たり前になっているはずの事を改めて練習した。ただきれいに並ぶだけの練習、ただ顔を上げるだけの練習、列をそろえて進むだけの練習などなど。そして、どんなチームも絶対必ず言う「声を出せ!」「笑顔を忘れるな!」「歌え!」当たり前だけどこれが何度言ってもできない。最後まで練習課題だった。

よさこいは派手な踊りだけど、実は地味で確実な動作の積み重ねだった。

練習の中で何度も言い合いになった。険悪な雰囲気になったのは一度や二度ではない。うまく踊れず悔し涙を流した事もあった。体調を崩して満足に練習ができないときもあった。

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そんな練習を経て、迎えたのが昨日のステージだった。

最初はステージ演舞。まずは肩慣らし。午前中だけどお客様の入りもまずまず。天気も良くて気持ちよく踊る事ができた。

続いては新設のパレードコース。少々狭い場所だったが審査の事を考えながら思い切り踊る。振り付け師からいくつかの修正点を指摘され、昼食を挟んで練習。

そして、満を持して審査演舞へ。毎年お馴染みの橋の上で順番を待つ。メンバー同士でハイタッチをしたり、握手をしたり、ハグをしたり、お互いの気持ちを高めあう。親しいやつもそれほどでもないやつも、これからの4分16秒はひとつになるんだ。

いよいよ演舞スタート。僕は力の限り、せまい地方車の上からメンバーに声を送った。メンバーは間違いなく今までで最大の声を出していた。100m離れていてもひとりひとりの声がしっかりと聞こえるようだった。踊り、走り、回り、跳んで、歌って、叫んだ。やりきった。できることはすべて。

みんなの顔には満足感が広がっていた。自分たちの出来にファイナル進出を確信することができたからだ。

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そして、ファイナル進出チームの発表のときがきた。ドラムロールとともに最初のチームが呼ばれる。

「YOSAKOI舞ちはら!」

やった!まずは最初の関門通過だ。さあいくぞ!ファイナル演舞だ。

僕らは3番目の演舞順だった。

ステージ裏で待機していて、あと1分くらいで出番だというまさにその時、小さなハプニングが起きる。ジュニアメンバーのひとりが遊んでいて排水溝の網の隙間から、鳴子を下に落としてしまった。網はボルトで留められていて開かない。隙間から手を入れても取れない。落ち込む本人。徐々に肩を震わせはじめる。ジュニア同士みんなが彼をはげます。「大丈夫だからね。」「代表の鳴子借りよう。代表のパワーをもらったよ。」(僕はMCなので鳴子は使わないのだがいつも腰に下げていた。)

舞ちはらの出番がやってきた。僕から鳴子を受け取った彼を中心に、円陣を組んだ。「さあいくぞ!We Are 舞ちはら!」

ファイナル演舞。6年目にして初めて登ったこのステージ。いつもいつも夕日の向こうで悔しさをこらえてファイナルチームの演舞をながめてきた。今日は違う。夕日を背にして光の向こう側に立っている。ついにここまで来たんだ。

僕ら、舞ちはらは力の限りの演舞をした。

「未来へすすむその前に、いまこそ言おう『ありがとう』!」(感謝感激あめあられ歌詞より)

MCをしながら僕は今年のテーマ「感謝」を全ての人に捧げていた。応援してくれた人、本当にありがとう。僕らがここに立って踊れるのは皆さんのおかげなんだ。ありがとう!

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踊りきって、舞台を降りメンバーたちはやりきった気持ちで一杯だった。

僕は他のファイナル演舞を横目で見ながら、ぼんやりと他チームのメンバーとしゃべっていた。話し相手になってくれた彼がポツリと言った。「すんなりとみんなに「いい踊りだって」言ってもらって、結果が出る年もあるんだけど、本当は苦労した年ほど報われない事があるんだよねえ。」その一言に、僕の心の中にあった今までの想いが一気にあふれ出た。涙が止まらなかった。こんなに泣いたのは久しぶりだった。苦労して苦労して、なんでファイナルに進めないだろう?何が悪いのだろう?とずーっと悩んだ年を重ねてきた。それが今年、やっと報われた。あきらめなくてよかった。

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舞ちはらは「準大賞」を受賞した。黒潮よさこい祭りも同じ準大賞だったが、メンバーの反応は少し違っていた。

準大賞はもちろんうれしい。でも、目標としていた「大賞」にはとどかなかった。その悔しさが表れていた。

僕らは成長した。踊りの技術ではなく目標に向かってがんばるというスピリット(精神)が成長したのだ。これはかけがえのない物だ。大切にしていきたい。

帰りのバスの中で僕はみんなにこういった。

「準大賞ってのはまだ目指すものが残ってるってことだよ。まだまだ上をめざそうよ。」

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“光の向こうに立つ~おみがわYOSAKOI2011” への6件の返信

  1. すーやん>
    ありがとう。ありがとう。ありがとう!
    すーやんにはどれだけ助けられたか分からない。
    本当に感謝してます。これからもよろしくね。

  2. 読んでて涙デてきた~
    その感動の場にいることが出来なかったがくやしいよ~~

    私もまた あの 感動を共感したい…
    だれか 私を拾ってくれないかしら

  3. おめでとう!!!

    今年、何度も観れば観る程に感動して
    ちばよさも小見川も泣けて仕方なかったデス。。
    MCはもちろん!笑顔の踊りも息の合った旗も
    アタシの中で、涙のツボです☆

    観客として「ありがとう(*^_^*)」

  4. あゆままさん>
    ありがとう。本当にうれしかったです。会場で声をかけていただいて本当に励みになりました。
    これからもよろしくね。

    みゆきさん>
    読んでいただいてありがとう。今年ほどよさこいをやってて感動した年はないと思います。
    これからも応援よろしくお願いします。

    miya-chan>
    コメントありがとうございます。今年は何度も会場にきてくれて本当にありがとう。
    みやさんの姿を見るたびにうれしくて、勇気がわきました。
    今年の演舞に込めた思いが伝わってよかった。
    改めてありがとう。これからもよろしくね。

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